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【Essay】ビニール袋がなくなるまでに


「袋にお入れしましょうか?」

とレジで聞かれるのはしょっちゅうでそれが当たり前だった。 つい此間まで、タダで貰えたはずのビニール袋。 環境保全のため、政府の取り決めで、 「袋にお入れすると20円掛かりますが …宜しいでしょうか?」と言われる。 少し驚き 考えて、背中のバックパックの 何やらを下にごそごそとねじ伏せて、 「大丈夫です。」と少しぶっきら棒に言い放ち商品を受け取った。 白い綿レースのカーディガンと、 柔らかくシワの着きそうなシャツ。 帰りの背中がずっと気がかりだった。 昨日は、久しぶりに文庫本を買った。 紙のカバーをかけ輪ゴムで止められた本をそのまま受け渡される。 外は一日中 雨の予報。 つい最近まで 紙カバーはおかけしますか?と聞かれていたけれど、 ビニール袋にも 何も言わずに入れてくれたけど、 聞かれなかった。 たまたまなのかもしれない。 忘れちゃったら買えばいいのかもしれない。 だけど家庭ゴミを仕分けるため、 赤ちゃんのオムツやペットの糞を包むため、 生ゴミを普通ゴミと混ざらないようにするため、 もう一度使う機会が来る。無ければ不便にさえ思う。 それでも薄くて便利だからなのか。 プラスチックで出来たビニールの袋には、お金がかかる。 帰り道、コンビニの裏地に捨てられた賞味期限切れ弁当の廃棄。 サンタが忘れたみたいに大方20個は入っていそう。 開けられずにそのまま大きな袋にまとめ上げられ、硬いプラスチックやらカップやらが何枚も重なっている。 外側だけでなく、内側にも大型マトリョシカのように色んな色の組み合わせ。 スーパーの食材売り場には量り売りの横に何十、何百と積み上げられた様々な種類のプラスチック容器が並ぶ。 当たり前のように、好きな入れ物に。 一つ一つの品を別々の容器に詰めていく。 薄い袋は有料で、硬い容器は無料である。 その分も含まれた会計だから、無料のビニール袋は仕方ない、そう仕方ない。 本当にこれは仕方がないのか。 政府はプラスチックのゴミの堆積を減らすために、有償化し、最終的に廃止できるようにと言った。 五輪前までのG20における日本の目標らしい。 しかしこの惣菜の容器は、ビニール袋何枚分の重さなのだろう。 消費の節約なら、弁当箱やタッパーなんかに詰めれば容器を減らせるのではないか。 「容れ物 持ってきてくれたらその分節約になりますよ」 なんて、そういうのじゃダメなのか。 ただ他国の行っていることを我が国も推進する。 足並みを揃えて平和に暮らす。 違う目的の別の理由がある、そんな気がした。 2020年のオリンピック。 それに向けて、世界に恥じぬように進んでいく日本。 東京五輪のスタジアム建設も、それを支える運営のスタッフも、急ピッチで集められていく。 裏側でテレビもネットでも、日本ではほとんど語られないことがある。 五輪メイン会場となる、新国立競技場。 その建設のための木材は、マレーシアのサラワク州で広大な森林の違法伐採を行っていると有名な企業から仕入れていると、世界は言う。 先住民族のいる広大な土地の樹木を伐採し、その人々の生活を著しく侵害する。 その刈り取られた大事な木々の命も、人々の暮らしも、主にこの数日間のスポーツイベントのために搾取される。 他の国の、いわばお祭り会場のコンクリートを固める型に使用されて、その最後は産業廃棄物となるそうだ。 http://www.foejapan.org/forest/library/170421.html また2020年のオリンピック、当日のスタッフはボランティアで賄われるようである。 大事な国と国との意思疎通をはかる通訳・翻訳者。 街の景観を守るためにゴミを掃除する人。 一日中立ち続けて、大勢を整備をする人でさえも皆、無料である。 経費も環境も搾取して経済効果を生め! 日本はどこへ向かっていくのだろう。 少しでも考えたい、自分ができることは何だろう。そしてあなたはどう思うだろう。 ビニール袋がなくなるまでに。 

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